貿易事務ってどんな仕事内容なの?未経験でもできる仕事なの?

「貿易事務」とは…
事務は事務でも、貿易に関わる特殊な書類の作成など…
一般的な事務作業よりも、知識と経験が必要な業務(事務)として確立されている職種です。
ですが…意外にも、
「貿易事務 求人 未経験OK」という募集要項をよく目にします。
一体、どんな仕事をするのでしょうか?
今回は、貿易事務の仕事内容や、未経験でもできる理由についてご紹介していきます。
この記事の【見出し】
貿易事務はこんな仕事!仕事内容をリストアップ
「貿易事務」は、その名の通り…
貿易に関わる事務作業を行う職種のことで、海外との取引となるため…
中には貿易事務ならではの書類や、業務が含まれてきます。
例えば…
1.貿易に必要な書類の作成・確認・添削
日本国内同士での商取引や、商流、ビジネス(BtoB)とは違い…
海外と商売をする場合は、通常とは違った書類(貿易書類)の作成が必要となります。
例:代表的な貿易書類としては…
- インボイス(商業送り状)
- 信用状(L/Cなどとも呼ばれる)
- パッキングリスト
- 為替手形
- 船荷証券(船積書類または、B/Lとも呼ばれる)
などがあります。
2.出荷・搬送・通関などの貿易ならではの特殊な手続き・代行
こちらも貿易業界ならではの手続きで…
特に「通関」という言葉は、貿易に携わる人以外、普段使うことのない言葉です。
簡単に言えば…
海外に納品する際に必要な書類の作成
と言えば、わかりやすいかもしれませんね!?
ただ、日本国内での流通ではないため、様々なトラブルが起こることが多く…
その保証や保険、トラブルが起こった際の対処法など、国内の流通よりも、余計な作業が多くなるので…
初めのうちは、覚えることが多くなりそうですね。
3.輸入品を取り扱う場合は、荷受け・納品手続き・代行
こちらは、輸入業者が行う業務で…
海外からの商品を受け取る際に必要な書類を確認したり、手続きを行う業務です。
「貿易=輸出・輸入」を合わせた流通のことを指すので…
貿易事務として採用されたからには、こういった輸入関係の業務も、同時に覚えないといけない会社や企業がほとんどでしょう。
4.国内業者向けの通常営業事務
「貿易」と聞くと、海外とのやりとりを考えてしまいますが…
よく考えてみると…
海外から買った商品を…どこに出荷しましょうか?
海外に出荷する商品…どこから仕入れましょうか?
すべて海外との取引…という会社もなくはないですが、基本的に国内の物を海外に出し…
海外からのものを国内に流通するのがセオリーです。
つまり、これまでご紹介した3つの業務とは別に、国内企業向けの一般営業事務(もしくは経理事務)の業務も必要となります。
例えば…
一般事務でよく取り扱っている伝票処理や、納品書、請求書の作成などがこれに当たります。
など…大きく分けると、「貿易事務」では4つの事務仕事を行う職種と言えるでしょう。
貿易事務だけが難しい!という訳ではなさそう…
中には、「インボイス」や「為替手形」など…
一般企業ではあまり聞き馴染みのない単語も入っていましたよね?
初めのうちは、難しいと感じるかもしれませんが…
それは、医療事務しかり…会計事務しかり…工場事務しかり…
その業界・その会社に入れば、その会社のルールやオリジナルのフォーマットなどがあり…
どの会社に行っても、きっと覚えることは山のようにあることでしょう!
そう考えれば…
「貿易事務だけが特段、難しい…」なんてことはありませんので…
経験がない…浅い…からと言って、まったく気負いする必要はないと思いますよ。
本当に?貿易事務は未経験でもできる仕事なの?
「気負いする必要はない…」とは言ったけど…
実際のところはどうなのでしょうか!?
ここからは…
だから貿易事務は未経験でもできる!その理由をご紹介したいと思います。
1.大きな会社ほど1人当たりの負担が少ない
例えば、あなたが個人事業として、一人で貿易ビジネスを始めようとした場合…
恐らく、超~が付くほど大変です…!
でもほとんどの貿易事務の仕事は、会社や企業の一員…
さらに、大手企業になれば、何千人いる従業員の一人になることがほとんどですので…
初めのうちから、あれもこれもと作業に追われることはまずないでしょう!
また、先輩社員や、先輩派遣社員などに教えてもらいながらの仕事になるので…
貿易事務とは言え、最初にうちは他の一般事務と変わらない…
まったくの未経験者でも、安心して働ける業界なのです。
※ そういった意味では、未経験者には大手企業の貿易事務をオススメしています!
2.貿易事務の中でもレベルがある
また、貿易事務の「仕事内容リスト」でも一部ご紹介しましたが…
貿易事務の業務範囲はとても広く、実務経験が必要な業務も中にはあります。
一般的な事務作業を含め、貿易事務の多くの方がやっている作業としては…
- 電話・メール応対
- 来客応対
- 見積書・請求書作成
- 荷物の配送手配
- インボイス作成
- 船荷証券作成
- コレポン業務(取引先との連絡)
- 受発注・出荷対応
- 通訳・翻訳
- ファイリング
- 社内文書作成(報告書・議事録等)
- データ入力・チェック
- 納期スケジュール調整
- 資材調達
- 伝票処理・整理
などがありますが…
未経験で入社した場合、初めのうちは事務業務の範囲はかなり絞られることでしょう。
まずはこのデータの入力から…
この書類をまとめるところから… など…
言い方は悪いですが、誰でもできるレベルの仕事から始めることが多くなると思います。
3.貿易事務をしているほとんどの人が未経験者スタートだから
これが貿易会社大手の総合職の中途採用だったり、他企業からのヘッドハンティングだった場合…
自然と、即戦力としての期待値は高くなります。
が…
「貿易事務に就職・転職される約8割が未経験者」というデータも出ているくらいですから…
あなたが入社した先輩事務員も、未経験者から始めている可能性が高いのです。
特にこれが大手の貿易事務となると、いちいち経験者だけを採用する訳にもいかないため…
未経験を採用して、社内研修をしたり、教育制度を充実させることで…
一人前の貿易事務員として成長させるケースもあります。
4.未経験者ほど吸収力・柔軟性があるから重宝される
例えばあなたが、採用する側で…
►事務経験20年あるベテラン事務員
►未経験で右も左もわからない事務員
がいたとして、自分の会社に馴染み、指示通りに動いてくれる人を求めているとしたら…
どちらを選びますか?
もちろん、コミュニケーション能力や、人柄なども影響してくるとは思いますが…
ハッキリ言って、未経験者の方が、扱う方としては気は楽なのです。
それは…
未経験者は、まだまだ経験値も低く「自分のやり方」がないから!
自分のやり方に固執してしまうと…
人の意見を聞かなくなったり…
ミスを認めなくなったり…
自分が正しい!と主張し出したり…
雇っている側としては、面倒なことが増えてしまうことも大いにあるのです。
そういた意味では、未経験者は雇用する側にとっては、必要な人材なのです。
貿易事務をするのに…TOEICや資格って必要なの??
貿易事務で、切っても切れないスキル…
それが、英語(語学力)です。
基本的に、どの国とのやり取りでも、世界の共通語は「英語」。
特に伝票や、貿易に必要な書類などは、ほとんど英語で記載されています。
そういった意味では…
- 英語を覚える気のない人
- 生理的に英語がダメな人
は、貿易事務には向いていません。笑
中でも、英語力をはかる一般的な方法としては「TOEIC」があります。
貿易事務の求人でよく目にするのは…
☞ TOEIC 600点以上
TOEICの全国平均が580点ですので、そんなにハードルが高い訳でもないでしょう。
専門性を問われる会社・企業の求人募集では、「TOEIC 700点以上」という条件もありますので…
貿易事務を狙うなら、TOEICの点数が高いと非常に有利となるのは間違いないでしょう。
他にもある!貿易事務ならではの資格の種類
では、TOEIC以外にはどんな資格が貿易事務では有効的なのでしょうか?
例えばこんな資格があります。
☑ 日商ビジネス英語検定1~3級
☑ 貿易事務検定C~A級
☑ 通関士
☑ PCスキル検定(マイクロソフトオフィススペシャリストなど…)
こういった資格を持っていれば、貿易事務としては有利なスキルとなります。
もちろん、持っていなければダメ!という訳ではありません。
特に「未経験者 歓迎」などと募集要項に記載されている会社は、こういった資格やスキルを求めていないケースも多いので…
持っていれば、仕事の範囲も広がりやすいですし…
時給や賞与の優遇があるかもしれません!
が…
資格なくても十分にやっていける会社・企業も多いので、安心してください。
勤務時間が変動シフトになることも!?
これは「貿易に携わる仕事のあるある」にはなるのですが…
取引相手が欧米や南米など、時差が大きいところをメインにしている企業や部署の場合…
その取引相手の時間に就業時間を合わせるところもあります。
通常は9時~17時就業が基本かと思いますが…
取引エリアによっては…
15時~23時だったり…
5時~13時だったり…
また、ずっとこの時間帯なら体も慣れてきますが、企業によっては「2部交代シフト制」にしているところも!
こういった特殊なシフトで働くのも、貿易事務あるあるなのです。
入社後の研修やスキルアップ講習は積極的に!
最後に…
貿易事務の仕事・業務はこれまでご紹介してきたように、特殊な書類を扱います。
最初のうちは、誰でもできるような仕事かもしれませんが…
経験年数と共に、覚えていかないといけない単語や資料、書類も増えていくことでしょう。
もちろん、先輩や上司が教えてくれるケースもありますが…
できればご自身でスキルアップのための研修会や、講習には積極的に参加して…
1日でも早く仕事・業務を覚えて、力になれる努力をしましょうね。
そういった意味では…
☑ 研修制度のある会社・企業に応募する
☑ 入社後も研修会などを開いてくれる派遣会社に応募する
といった選択をするのも賢い手段かと思います。
今後のスキルアップのために、最初からそういった機会を設けてくれる会社選びも重要ですので…
入社前から、入社後のスキルアップについてもイメージしていくようにしましょう。
まとめ
貿易事務の仕事・業務についてご紹介しましたが…
少しはイメージできましたでしょうか?
この記事でハッキリと言いたいことは…
☞ 未経験でも十分に、貿易事務の仕事はできる!
ということ。
もちろん、資格は持っていた方が話は早いですし…
TOEICの点数は良いに越したことはありません。
しかし、あくまでも貿易に関わる仕事として、今後、自分がスキルアップしていきたい!と思えているかどうか?
が、基本となりますので…
まずはご自身で、しっかりと自問自答してみてください。
そして、入社するなら…研修制度の整った企業に応募することをおすすめいたします。